県連一職場一事例検討会「借金を抱えた支払困難事例にかかわって」

借金を抱えた支払困難事例にかかわって

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発表者

工藤 敏子(弘前調剤センター 課長)

他 弘前調剤センター 薬事課職員



事例内容


Hさん 62歳 男性
  • 病名:骨髄異形成症候群  2013年4月、ER受診して判明。その時点で離職し現在は無収入
  • 余命:2014年1月に余命5ヶ月~6ヶ月と告げられている。 
  • 家族構成:Hさん、兄嫁、甥3人、姪1人
  • 収入:Hさん 無収入、甥2人156千円+137千円


  • 病気が判明してから離職し、収入が無くなり、支払が大変。
  • 医療費は甥から借りて払っているが、いつかは返さなければならない。
  • 自己破産を考えたい。家族の名前を勝手に使用した借金があり、死ねない。
  • 生保受給したいと申し出があった。住居は変更せずに兄嫁家族と同居していたいとの希望あり。


問題解決に向けた職場での取り組み内容 

「お薬代が高い」というHさんの一言を窓口職員が拾いあげたことがきっかけとなりました。家族には見ず知らずの薬局がそこまで関わるなんてと思われたこともありました。 しかし、放っておくことができませんでした。きっと何か出来るはずという思いだけで余命2カ月という時間との闘いです。素早い対応と決断が必要でした。民生委員が関わり生活保護の申請を行いましたが、家族との同居では却下されると言われ、高齢者住宅を探して3日後には入居して、生活保護を申請しました。その後は勝手に甥っ子の名義を使用した借金と自身の借金整理に弁護士を仲介して、まずは安心して治療に専念できるように努めました。 今回の事例で多くのことを学びました。余命2カ月で40度近い発熱を伴う病人に対する弘前市職員の冷たい対応に驚き、本人の戸惑う姿が今も目に焼き付いています。高齢者住宅に引っ越し生活保護受給を選択し、家族との生活が奪われました。高齢者住宅が終の棲家と思うと、病気を患うということはこういうことなのかと、孤独な生活を想像し涙するほどでした。 日頃からの民主団体様との関わりで多くの方のサポートを頂き、制度等に関しては石田弘前市議より多くの助言を頂くことができました。「困った時、誰かが必ず助けてくれる」という確信と、薬局にはSW等の専門職はいませんが、やればできるという今後に自信をもつことができた事例でした 。

発表データ.pdf

学術活動

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